Amazon EC2 ストレージ最適化タイプの新世代インスタンス I7ie が一般提供開始されました #AWSreInvent
Amazon EC2 の新世代ストレージ最適化タイプのインスタンス I7ie が提供開始されました。
現時点で最大規模 120TB の NVMe タイプのインスタンスストアを搭載した I/O 集約型ワークロード向けのインスタンスです。
I と e ってなんでしたっけ?
Amazon EC2インスタンスタイプの選び方ガイドから抜粋して、インスタンスタイプの説明をします。
I7ie
のI
はストレージ最適化を意味します。頭文字は小文字のエル(l
)なのか、大文字のアイ(I
)なのか、たびたび惑わされます。正解は大文字のアイです。
I7ie
のe
は通常とは違うスペックを意味します。
今回はインスタンスストアと呼ばれる、ローカル NVMe ストレージ(EC2 のホストにローカル接続された高速な SSD)の容量が 1.25TB から 120TB も搭載したインスタンスタイプです。ローカル NVMe ストレージの 120TB は現時点で最大容量を誇ります!
インスタンスサイズ
ラインナップは以下になります。ちなみにm6id.32xlarge
, m6id.metal
のインスタンスストアの容量は 7.6TB です。I7ie.3xlarge
とほぼ同じ容量です。
提供リージョン
東京リージョンを含む一部のリージョンが対象です。
- 米国東部(バージニア北部、オハイオ)
- 米国西部(オレゴン)
- 欧州(フランクフルト、ロンドン)
- アジアパシフィック(東京)
旧世代インスタンスタイプと比較
既存の I3en インスタンスと比較して以下の特長があります。
- 第 3 世代の AWS Nitro SSD 搭載
- リアルタイムのストレージ性能が最大 65%向上
- ストレージ I/O レイテンシーが 50%低減
- ストレージ I/O レイテンシーの変動が 65%改善
- 計算性能が最大 40%向上
- コストパフォーマンスが 20%改善
AWS ParallelCluster で試してみたかった
AWS Paralellcluster で単体のインスタンスで計算するときに中間ファイルの書き出しのため、一時的に高速である程度の容量が求められるケースもあります。興味のある方は以下の記事をご参照ください。
試したみた
ParallelCluster で作成したクラスターからI7ie.48xlarge
をスポット起動してもキャパシティ不足で起動できませんでした。スポットインスタンスはサポートしています。
$ aws ec2 describe-instance-types --instance-types i7ie.48xlarge | jq '.InstanceTypes[].SupportedUsageClasses[]'
"on-demand"
"spot"
原因を切り分けてみた
ParallelCluster からの起動は諦めて、一番サイズの小さいI7ie.large
を単体の EC2 インスタンスとして起動させてみました。
AZ は 3AZ すべてサポートしています。
2024 年 12 月 2 日 13 時から 14 時頃は 3AZ すべて起動できるキャパシティがありませんでした。なお、エラーメッセージによると AWS さんはキャパシティの追加作業中とのことです。リリース直後の動作確認だったため仕方がありません。
東京リージョンでご利用を検討される場合は、しばらく時間が経ってからお試しください。
おわりに
リリース直後の検証だったため、東京リージョンはまだ在庫が少ないようです。残念ながら試せませんでした。d
が付くインスタンスタイプのインスタンスストアを重宝していた身としては、大容量かつ高速なインスタンスストアを持つタイプの登場は選択肢が広がり、ありがたいアップデートでした。